2013-06-28アメブロ初出⇒2018-05-22はてブロに加筆修正アップ⇒また加筆修正してアップ
三角のポーズのアライメント迷子現象について。
改めていろんな参考書を並べてみると、同じアーサナでここまで違いがあるものか、、、と。違いがヴィラバドラーなどに見られる違いとは比較にならないです。実際に各流派のアライメントでアーサナをとってみると、違いを実感します。
アライメント迷子になるよ、こりゃ。
①アイアンガーベース

最初の頃は、基本的にアイアンガーのアライメントを最終的に目指すべき完成形として、適宜必要なモディフィケーションを加えるという感じで、納得してやっていました。
アイアンガーさん、本当の三角形だわー、すごいわーとか思いながら。

このポーズ見本さんもめっちゃ三角形~。
つうか、脚長いわぁ・・・。
「両足の筋肉の調子をととのえる。足首を強靭にする。」などの効果が謳われています。
「背中の痛みをとりのぞき、首の筋違いをなおし…」といった効果も書かれていましたが、やり方間違えたらむしろ首痛めませんか・・・?って感じもします。
②綿本先生スタイル

アイアンガーヨガをベースに学んでくると、初めて綿本先生からアライメント指導されると衝撃的というか、しばらく混乱するんですよね~。
アイアンガーヨガのビシバシ系指導をずっと受けてきた人だったら、綿本先生の「究極的には、まあ好きにしていいよ」的なクラスを体験するとビックリするかもしれません。後者の方が言葉は優しいようでいて実は簡単なことではなく、むしろ玄人向けだったりもする、と今は思います。
三角のポーズのアライメントについては完成ポーズの1段階前の姿を見ると分かりやすいでしょうか?

え、骨盤こんなに伏せちゃっていいの??
いーんです。ちゃんとセオリーがあってのこのアライメントなんです。
「(パタンジャリ曰く)アーサナ=安定かつ快適であるべきである」
「骨盤の安定=心の安定である」
「ぐらつく骨盤の上で快適で居られることがあろうか、いやない」
②’ねじりのポーズとしてのトリコナという考え方
②綿本先生のアライメントの発展形という位置づけで、②´(ダッシュ)という感じにしておきます。
これについては写真がないのですが(再現して写真撮ることも可能ですが面倒なのでやめときます)
中島先生が仰っていたこのアライメントの考え方も面白かったのでご紹介しておきましょう。
「トリコナ・アーサナはねじりのポーズである。」
綿本先生のポーズ見本から、横に広げた胸をさらに天井の方まで見せていくように、もっとねじっていくというアライメント。いやまあ、そこまでいっちゃうともはや別のポーズですな。
③アシュタンガスタイル

アイアンガーヨガが出たらこれを紹介いないわけにはいかんでしょ、というわけで、アシュタンガヴィンヤサヨガ。
この写真は、前足の膝がやや過伸展気味なのがちょっと気になるところ。
アシュタンガヨガのクラスで、アイアンガーヨガのアライメントで踏ん張っていたら、なんでそんな脚のスタンス広げてるんだ?と指摘されたことがありました。
アイアンガーに比べると足の幅は狭め。
やっぱり次々にポーズ遷移をしていくという前提の元、次のポーズへの流れをよりスムーズにするためかな~。
④シヴァナンダスタイル

そしてこれも衝撃だったシヴァナンダのスタイル。
シヴァナンダと称しているところは複数あるのかもなのですが、正確にはデーヴァナンダさんの流れかな?シヴァナンダヨーガセンター編の入門本から引いています。
ややトラディショナルスタイルなイメージのあるこのアライメント。
何がいいかと言うと「体側の靭帯と筋肉によいストレッチになる」という効果。「脊柱全体を横に最大85°(腰部20°胸部20°頚部35~45°)まで曲げる」とあります。

こうして見ると、完全にスパインストレッチ・サイドのポーズです。
特に、腸骨周辺の筋肉・靭帯が骨からバリバリと引き剥がされるような快感があり、脚が辛くなる前に脊柱の側屈の限界がくるので、安定して快適です。上で疑問視していた「背中の痛みをとりのぞき、首の筋違いをなおし…」という効果もあると思われます。
唯一、玉にキズだなって思うのは、見た目がスタイリッシュじゃないという点ですかね。
いかがでしたでしょうか。(※どうでもいいまとめ記事を結ぶ決まり文句)
ここまでだけでも、だいぶ違いますねえ。最初の数年は前に習ったことと違うことを言われるたびにプチパニックになっていましたが、次第にアライメントに唯一の正解などないんだってことが分かるようになりました。
その先生そのクラスに合わせて異なるアライメントを楽しむのが正しい態度であるようだ、と今では理解しています。
というわけで、ヨガの規格化は難しいですね、という話でした。
「私はこの流派で行くのだ」と決めてしまえば、話は早いのかもしれず、ゆるぎない信念を持ってひとつの流派に属している人を、羨ましいと思います。私のように無グル派を突き進むと、アライメント迷子になることもしばしば。
そんな中、ジェイソン・クランデル氏のこの言葉に感銘を受けました。
「この複雑で難しいポーズと仲良く付き合うには、実験的なアプローチを継続することだ。」
超・基本ポーズの扱いで出てくるけど、実は奥が深くて難しいポーズ。
試行錯誤を続けていく姿勢が大切なのですね。
【※参考図書】※写真拝借順
(1) ハタヨガの真髄―600の写真による実技事典
(2) yoga JOURNAL特別編 完全習得シリーズ!基本ポーズ30
(3) 綿本彰のきれいに効くヨーガ―内と外からきれいになる
(4) 女性のためのアシュタンガ・ヨーガ―ダイナミックヨーガで、精神とからだと魂を活性化する
(5) シヴァナンダ・ヨーガ入門
(6) ヨーガ本質と実践
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【Yogasana: The Encyclopedia of Yoga Poses】
ハタヨガの真髄のアイアンガーさんもパーフェクトなポーズ見本を見せてくれますが、こちらはポーズのパーフェクトさもさることながら写真がハタヨガの神髄より綺麗(新しいからね)。そしてなんと、トリコーナアーサナだけで12のヴァリエーションがありましたわ…。