前回からの続きで、ヨガが自律神経を整えるのに有効な理由
①呼吸法を行う
②緊張と弛緩を繰り返す
③背骨を動かす
④イメージを使う
と、書いたそばから、実はもう一つあるかも?と思っていますのでパキッと4つってわけでもありませんが。
①呼吸法を行う
呼吸運動は意志とは無関係に繰り返される自律的運動の側面と、意識的に深くしたり止めたりするという随意的運動の側面との二重構造になっています。吸気が交感神経を、呼気が副交感神経を、あるいは浅くて速い呼吸が交感神経を、ゆっくりとした呼吸が副交感神経を優位にするよ、なんてことがよく言われています。呼吸は呼気と吸気がセットですから、吐く息をゆっくり長めにしていくことで副交感神経を優位にするよう働きかける、といった使い方が当然出てくるわけです。ヨガの呼吸法にはかなり速いペースで激しく行うものもあります。それを行うことによって、その呼吸のコントロールから解放されたときに訪れる自然呼吸の心地よい深まりとのコントラストが生まれます。そこまでをセットで見るべきでしょう。
ちなみにヨガは腹式呼吸、ピラティスは胸式呼吸ですよね、とかいうことをいまだによく聞くのですが少なくとも私はそれは全然違うと思います。
②緊張と弛緩を繰り返す
呼吸は呼気と吸気がワンセットというのは、収縮と弛緩がワンセットですって言うのとと同じことですね。この「のんべんだらり」とした緊張が長く続くことのヤバさについては前に書きましたが、収縮と弛緩のコントラストが大事なので、ストレスが溜まって疲れているからといって無理せず、無理せず、きつそうなポーズは避けて・・・なんてやっていたらただひたすらダルくなったりするので結構要注意です。この点、ピラティスはリズミカルな動きを数回繰り返して小休止、という流れになっている場合が多いのでコントラストが明確で良いかもしれません。
③背骨を動かす
自律神経は背骨に沿って走っています。じゃあ、背骨を動かすことで自律神経に働きかけられるのではないか、ということですね。背骨には丸める・反る・ねじる・横に曲げるといった動きがありますが、基本的にはこれらの動きは全てやるのがいいと思います。
「背骨を動かす」という見出しにすると、そっか動かせばいいのかと先走りがちですが、待って、最後まで読んで!(笑)。
先ほど書いた通り大事なのは「コントラスト」ですから、どの動きも自分の身体が許すぎりぎりのところまでやってから、その姿勢から解放された時のふわ~っとした感覚をしみじみと味わう、というそこまでがワンセットです。まあ実際どれくらい働きかけられるのかは不明ですが、④のイメージを使うことで効果は得られやすいのかもしれません。
④イメージを使う
ハタ・ヨガの真骨頂だと言えるのが、このイメージを使うというテクニックではないかと思います。抽象的概念等をシンボル化して自分の身体の中に配置し、体の操作や意識を使って間接的に抽象的概念を操るのです。これだけだともう何言ってんだかさっぱりだと思いますが、よく「体の中にたまったドロドロした老廃物も一緒に吐き出すとイメージしながら息を吐く」とか「手が、とてもあたたか~~い」みたいな表現をしたりするアレです。アレをかなり本気で、はっきりくっきりイメージしながらやっていくのです。
最終的にはLet it go
そもそも自律神経というのは自律神経なので(笑)、自分の意志で出来ることは限られています。この辺りは心の作用を止める系の瞑想と同じで、目標をつかみ取ろうとすればするほどするりと逃げて行ってしまう、という部分がありますので、出来ることをしたらあとは手放すしかないですね。Let it goです。
注射を打ちにいかなくても済むようにケアしましょうね。私もより自律神経の調整に配慮したクラスの構成を意識していきます。